映画「笑の大学」はハマリました。
「ジュリオとロミエット」だよ??
舞台は昭和15年の戦争中の日本。警視庁の中の簡素な一室。部屋の真中にはぽつんと机と二つのイス、ソファだけが置かれている。
その部屋で、演劇の脚本を検閲する検閲官(役所こうじ)と、喜劇作家(稲垣吾郎)とが、ヤリ合う。
検閲官の言うとおり、喜劇作家は脚本を手直ししてくる。するとまた検閲官は、難癖をつける、その映像が延々流れるのだが、めちゃめちゃ笑える。
検閲官は一度も心から笑ったことのない男。それがいつの間にか、喜劇作家とともに脚本を作っている錯覚に陥ってしまう。
喜劇作家もその作家魂にかけて、ケチつけられた脚本は、前よりもっと面白いものに書き換えてくるのだった。
でもあるコトが、検閲官の琴線に触れ、「一つも笑うところのない喜劇を書いて来い」と最後通告を言い渡される。さて、作家はどうするか??
三谷幸喜については、詳しく知らないながらも、この映画を見て、なんてポジティブな人なんだ。なんて人間を明るく肯定している人なんだ!と想いました。この明るさは、詩人の谷川俊太郎に通じるものがあると、私は思います。
映画で一番気に入ったセリフは、吾郎ちゃんのセリフです。セリフというより思想です。こんな感じ。
検閲された作家は、それに抵抗して投獄覚悟で上演する人もいる。自分は検閲官の言うとおりに直すので、回りからは「国家の犬」と呼ばれている。
でも、それでいいのだ。自分は言われたとおり直す。だけど、前よりもより面白いものに書き換えよう。自分は喜劇作家だ。人を笑わすことが大事なのだ。人を笑わせたいのだ。
「国家の犬」と言われても、笑わせることができれが、それが自分にとっての国家への抵抗だ。というようなセリフがあるんです。
泣けるでしょう? 三谷幸喜、惚れたね!
わたしは真ん中まで笑って涙流してたけど、後半からはその涙が止まらなくなりました。ハンカチ出して泣いてましたよ。そして映画が終わり、最後の音楽が流れ、それが終わる頃に涙もやっと止まり、すっきりして帰りました。
(柏のステーション・シアターでやってます)
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