★書くほどに心が深まる(受験作文のテーマ)
作文を紹介します。
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「私の好きな場所」 小4 みーちゃん
私の好きな場所は、トイレです。
一つ目の理由は、私の家のトイレには、地図がはってあるからです。毎日地図を見ているので、おぼえてしまって、勉強になります。前は、県や、区の地図を見ていました。今は、もうその地図を卒業して、大きな世界地図をはってみています。もう、横一列に書いてある、はたの国を、おぼえてしまいました。
二つ目の理由は、トイレでねられるからです。私の家族は、毎日起きたらすぐトイレに行きます。とくに、父や、私は、母に起こされて、ねむいままトイレに行って、ねます。トイレでねるのも、意外と気持ちが良いものです。しかし、母にすぐばれてしまいます。そこがざんねんです。
三つ目の理由は、トイレでゆったりできることです。つかれている時など、トイレに入ると、つかれがとれます。とくに、トイレを使用すると、まさにとれます。しかし、(ふとんの中で)ねることと勝負をしたら、さすがに負けてしまいます。
このような理由で、私はトイレが好きなのです。
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好きな場所というテーマで、「トイレ」を選んだところが、まず面白いですね。
トイレなどというのは、日常的すぎて、カッコイイものではないので、なかなか書こうとは子どもは思わないものです。もう少し正確にいうと、「きちんと書かなくちゃ」と思っている子どもは、選びにくい題材です。
反対に、「面白いことを書こう」と、作文に対して自由に楽しく、遊びの延長で考えている子は、「そうだ!」とトイレのようなネタを思いつきます。
作文をスラスラ書くためにも、書いていて面白かったと思うためにも、またカタルシス効果(書き終わった後のすっきり感)を得るためにも、こういうネタはオススメです。
さて、この作文の良いところは、これだけではありません。書くほどに深まっている、という点です。トイレを好きな理由を三つ書いています。一つ目は地図が学べる。二つ目はねられる。三つ目はゆったりできる。そこでみーちゃんに
「一つ目より二つ目、三つ目の方が、理由が深まっているよね。心の奥にあった理由が出てきたよね。ぶんぶんはそう思うんだ」という話を、ハートの図を書いて説明しました。するとみーちゃんは目を輝かせて「何となくわかる!」と答えました^^
(よく人の心は玉ねぎのようで、むいてもむいてもどんどん出てきて、本当の自分というのは分からない、、、という話だったような)。
「書くこと」の効用として、自分を深めていける、深いところで感じていたこと(潜在意識のような)が、ふっと出てきて言葉になる(意識化される)。それが書けた時、カタルシス効果も表れるし、自分が書きたかったこと、自分の感性がそこに現れるのだと思います。それが「その子らしいオリジナルな作文」につながります。
その前にみーちゃんに聞きました。「どの理由が一番好き?」すると「一番目」とのことでした。地図が大好きだからだそうです。それも事実だからいいのです。そして『深まる」ということも分かってくれば、作文に広がりが出てきますね。
そんなすてきな作文でした。
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