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2004.12.17

★駆けていくトナカイ

tonakai_to_minna


  駆けていくトナカイ


トナカイが街を駆けていく

サンタも乗せずプレゼントも乗せず
飾られた虹色のイルミネーションにも振り返らず
一人で
夜の街を駆けていく

彼はどこに向かっているのか
何のために向かっているのか

それは誰にもわからない
彼にさえわからない

誰も知らないうちに
夜の闇に消えていった

(中1 大越千尋)

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コメント

意味づける必要などはない。
僕たちが求めているのは速度なんだ。
裸であるとか、裸でないとか。

そうかもしれないし、そうでないかもしれない。
本当のことをいわせてもらうと、そんなものもぶっとばしたいんだ。

否定を重ねでどこまでいけるか。
肯定を重ねてどこまでいけるか。

そんな論理をいくら重ねても、それは結局ことばにすぎない。
だったら、沈黙しているほうがどれほどいいか。
ことばにできないものは、ことばにしないほうがいい。それもしょせんことばに過ぎないが。


ぶんぶんさんのことばの求心力と、大越千尋君/さんの切れのいいことばにひかれて、長いコメントを書いてるマレーシアの酒尾呑兵衛です。よっぱらいながら、大越君/さんと対話をしたくなってしまいました。
で、自己紹介です。

 羊歯植物のようにぐじぐじと湿っぽく
 体にまとわりついてくる言葉を引き剥がして、
 僕はタマン・デサにあるパブのカウンターに坐っている。
 言葉にくっついて何か得体の知れないものがひょっこりと出ていったが、
 それが何なのかを確かめる余裕はない。

 そして、愛をささやくよりも慎重に
 ひとつながりの音を呪文のように唱える。

  さや・いんぎん・ぶるかわん・だんがん・あわっく

 あなたの目は僕の目を離れない。 
 あなたの耳はひとつひとつの音にうなずきうなずき、
 やがて、しばらくの沈黙の後
 静かに、穏やかに、応える。

  ぼ・れ

 バナナをもらったオラン・ウータンのように
 ぼくは歯茎をむき出しにして笑う。
 そして、オラン・ウータンは
 飽きもしないで同じ呪文をくり返す。

 さや・いんぎん・ぶるかわん・だんがん・あわっく
 (我・汝ヲ・友トナスコト・アタハザルヤ)

 あなたは、面倒な素振りをみせることなく
 ひとつひとつの音にうなずきうなずき
 静かに、穏やかに、応える。

 ぼれ  (可ナリ)

投稿: 酒尾呑兵衛 | 2004.12.18 02:23

酒尾呑兵衛さん。
コメントありがとう。嬉しいです。
十何年か昔、「酒呑童子」という名前を見かけましたが
呑兵衛さんもちゃんと大人になったのですね?

千尋ちゃんは女の子で、過去の記事の中に、ちーとかちぃとかいう名前で登場しています。(中1ですがたまに、中2となっていることもあります。間違いです)


ハダカであるとかハダカでないとか・・・そんなことよりも「速度」である。ほんとうにそんなことを感じさせてくれる「詩」であり、ちーちゃんです。ちーちゃんは本が大好きで、最近は「モモ」を読み返していました。身の周りのできごとも、一つ一つ自分の視点でじっくりと考えていくひとだと思います。

そして相変わらずといっていいのかどうか。のんべえさんの文章も素敵だよ。私にはちっとも変わっていないように見えます。きっとマレーシアは暖かいから、哲学するには
少し似合わない気候風土かもしれないね。

ハダカに関して言えば、私は最近、なんかすべてひっくり返したくなったっていうか、全部脱いでしまいたい気分なんですね。メンタルな部分だけでなくて、洋服もです。
「見せたいものを見せるのは気持ちいい」からです。

マレーシアにでもいったら、自然に脱げちゃいそうですね?のんべえさんは、脱げましたか?

そうそう、前の記事にでも何でも、よかったらコメントして下さい。よろしくお願いします。ではまたね。

投稿: ぶんぶん | 2004.12.20 18:04

たしかに幼名は酒呑童子でした。
ぶんぶんちゃんが、ずーっと、こうやってことばにこだわり、こういう場を作っているのはすごいなと思う。人の場所を借りて少し乱入させてもらいます。

僕かはじめてさくぶんと関わるようになったときの夏、成田の教室で何日間か授業をまかされて、経験も理論も方法論も持たずあたふたしていたときに、いっしょに行っていっしにあたふたしたのがぶんぶんちゃんだったと思います。

僕はあのときに出会ったつねちゃんという小学校1年生の男の子との出会いで、自分が大きく変えらました。

 あ ああ あめ あさ あした

 ことばをおぼえたつねちゃんは
 ちからいっぱいめいっぱい
 えんぴつしんをバキボキおって
 かきくけことばをガッと彫る

 あ ああ あめ あさ あした
 あさごはんおたべました

 はあふうはあふう
 くちでいきする
 はなみずたれてもとんちゃくしない
 まわりのことなどかまってられない

 あ ああ あめ あさ あした
 あさごはんおたべました
  おとおさんおきやちぼおるおしました

 「できたせんせい」
 ひとしごとおえたあとの
 まんぞくな顔
 そして、
 ふぁふぁいと大きなあくび


ここは、「ハダカ」がテーマですよね。いまさらハダカについて語るのは、オジサンにはつらいところがあるのですが、僕にとってハダカとはおそらく詩を書いている自分自身だと思うので、僕のイメージするハダカについて、かつて書いた詩をのせることで、ハジをさらけます。(これは懺悔コーナーの方がいいのだろうか)。

     存在の震え 
    
 陸生生物は、海を体内に閉じこめた。
 さらに、動物は根毛すら体内に閉じ込めることで、移動の自由を得た。
 そうして、我々の先祖は喜々として初めの一歩を踏み出したとたん、二度と後戻りできなくなってしまったのだ。
 物欲しげな顔でせっかちに歩き回るしかなくなったのだ。
 なぜ、単細胞生物のまま、海にたゆとうことに自足しなかったのか。
 皮膚などというにわか造りの袋につめこまれ、
 袋ごしにしか世界を感じることができなくなった、
 内臓の、神経の、
 息苦しさ…… 


 さわって下さい。
 私の体にやさしく触れて下さい。
 あなたのあたたかさ――。

 (それがたとえ、うっそうと木々を茂らせた、
 忘れられた夏の神社の境内のようにひんやりとしたものであっても)


 すでに私の皮膚はきれいに剥かれ、
 理科室の人体模型のように、
 毛根のような神経も、
 かすかに震えるピンク色の肉も、
 あらわに。
 これ以上にないくらい裸です。

 さわって下さい。
 私の体にやさしく触れて下さい。
 
 剥き出しの私は
 ゾウリムシのように繊毛をゆらめかせ
 すもものようにみずみずしい。
   そして、
 全身から滲み出てくる、
 まだ名づけられていない新しい感情――
 
 (愛ではないの?)
  ――違うのです。
 (ことばを発する前の一呼吸のためらい?)
  ――そうじゃなくて。
 (布団と肌の間に生じるぬくもりのような?)
  ――それでもなくて。

 存在と存在の微かなさざめき、
 輪郭のあいまいな、
  〈私〉という、
     存在の震え……。
             (九六年十月二十一日)

 

投稿: 尾 | 2004.12.23 02:20

酒尾呑兵衛さん、マレーシアからコメントありがとうございました!!大越千尋です。長いことお礼を言うことができなくて、すみません。ぶんぶんちゃんも言っていたように私は中一の女子です。呑兵衛さんの詩、とてもすてきでした!人のこころの奥底をあらわしたような、とても深いものだと思いました。呑兵衛さんの詩に書かれている思いは、どの人にもあると思います。でもいわれてみないと気づかないようなことです。でも呑兵衛さんは誰も気づかないようなことを詩にしていて、すごいなぁと思いました!呑兵衛さんみたいな、かっこいい詩や作文が書けるようになるまで、頑張ってどんどん文を書いていきたいと思います!!私はまだお酒は飲めませんが、お話しする機会があればいいと思います。あらためてコメントありがとうございました!!!!

投稿: 千尋 | 2004.12.28 09:20

千尋さん。初めまして。
酒尾呑兵衛なんて変な名前で投稿してごめんなさい。
お酒なんかのまなくても、自分をいろんなヨロイをつけてくっても、ちゃんと相手のことを理解したいという気持ちを持ち、相手に自分のことを伝えたいと思う気持ちさえ持っていれば、人と人はつながるんじゃないかと僕は思います。

初めてマレーシアに来たとき、英語も、マレー語も中国語もできなかった僕は、ただにこにこして人の話を聞いているだけでした。でもそれじゃおもしろくないので、知っている漢字をノートに書いて、筆談をすることからコミュニケーションをスタートしました。1つのことを理解しあうにはお互いものすごいエネルギーを使います。自分のことを相手に理解してもらうためには、相手も根気づよく自分のことを理解しようとする気持ちが前提になっているし、こちらも、必死になって相手に理解してもらおうと、自分の持っている言葉、身振り手振りを総動員しなくてはいけない。

でもね。それは、別に外国人とのつき合いだけではないと思う。親と子であっても、友達であっても、恋人であっても、そういう当たり前の、でも、とても面倒くさいことがベースになっているような気がします。

 「愛」とか「友情」とか、そういう難しいことはわからないけど、相手に対して時間を共有する、それだけで、人は幸せな気分になれるんじゃないかと思う。


千尋さんの詩はステキです。それは、等身大の君自身を言葉としてすくいとることができているから。いろんな表現方法があると思うけど、あなたは、ことばによって自分を発見していくタイプの人じゃないかと思って最初のメッセージを出しました。

答えのない問いを問い続けましょう。


投稿: 酒尾呑兵衛 | 2004.12.29 01:23

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