★彼はここから始まるんだ..
「嘘つきだ!だましだ!ひっかけだ!」羽ちゃんはそう叫んだ。なかなかいいキャラをしている。小5の羽ちゃんは、自分の理解の常識を超えると、必ずこんなふうに言う。彼はまだぶんぶん教室の新米で、私も彼のコトバを理解するまで少々時間がかかった。
例えば他の子の書いた作文に対して「嘘つきだ」などと言う。悪気はないのは分かっていたけど、そう言われるとムッときて「失礼な。そこまで言うならちゃんと理由も言いなさい」などといぢめちゃったり。でもなーんか違うことに気づいた。彼のこの発言を「よくない」と言って止めてはいけないことに。彼はここから始まるんだー。そう思えたら少し余裕が持てた。☆☆☆☆☆
「風はギターを鳴らしたかったんだよ」。この前うーちゃんの言葉を聞いた時、そこに物語の世界が息づいているのを私は感じた(9つ前の記事を見てね)。それに他の子どもたちも似たような作文を書いていたし。。。そうだ、次にこのテーマで物語を書いてみよう!一つのテーマで、ノンフィクションとフィクションの両方を書く。そうすることで、表現方法はいろいろあることを体験できるし、自分の内面にテーマが深く刻まれるかもしれない。
「ギターのお話を自由に書こう」。これは書けないパターンの典型だ。そこで①登場人物はギター、カーテン、風。②最後にギターを鳴らすという話にすること。そして③「誰がギターを鳴らしたいと思ったか」を入れる。この三つを条件にした。とくに三つ目はとても大事にしたところ。そこで書く前にみんなで、いろんな場合を考えてみた。
ギターを鳴らしたかったのは風、カーテン、風とカーテン、ギター自身というところまで話が進み
「他には? 次が分かったら、ちょい天才かも?」なんて言ってると元輝が、
「分かった!勝手に鳴った!」
「そうだね。8割正解。つまり鳴らしたかったのは誰?」
「ほこり!」などとマジに言ってる子が必ずいるもんだ。
「だからぁ、登場人物は3人なのぉ」
「誰も思わなかった!」またまた元輝。
「そうだよ。誰も思わなかったのに偶然鳴ったということもある」。
小3の彼の口からは、いつも研ぎ澄まされた言葉が飛び出す。誰が鳴らしたかとか質問されたら、必ずどんな時もその反対を考えてみるのが、一つの考え方なんだよ。
そこまで来たときに羽ちゃんの「うそつきだ!」が出た。「だって誰が鳴らしたかって聞いたじゃん。誰も鳴らしてないなんて答えは引っ掛けだ。ぶんぶんの嘘つき」。嘘つきでいい。キミはそれを超えろ!
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