★新興宗教にハマッてます!
その宗教は「エンタの神様」。エンタの神様は、いちいち毎週日曜日に教会に行かなくても、テレビというつまらない祭壇さえあれば、毎週土曜日お家で拝める。お布施を強要されたりしないし、偽善の強制もない。だが私はエンタの神様を拝むときは、目が悪くならないように祭壇から3メートル離れたところにきちんと正座して見ることにしている。
エンタの神様は一神教ではない。日本の神道のように「八百万の神」がいる。今日はラブリーな新しい神様に出会った。その神様はなんでも、尾崎豊ファンだという。アコギをお供に我が家の祭壇画面に現れた。尾崎豊が学校で授業をするというそのネタは、私のツボにハマッたのである。
「俺たちを縛るものから、自由になりたいんだ!」かなんか言って、歌ってる。
「柔ちゃんの前髪が言った。もう縛られるのはご免だ!」
「掃除機のコードがめいっぱい引き出され、黄色いテープが見えている。コードは叫ぶ。もう限界だ!」
「三足千円の靴下が言った。一人一人をもっとよく見てくれ!」
「食器棚の奥にしまわれているイチゴを食べる時のスプーンが言った。俺たちを忘れないでほしい!」など
最後に「私の授業の持ち時間は終わりました」と言って神様は去っていった。
別に私は尾崎ファンではないけれど、ぶんぶんの中学生と尾崎の歌『卒業』を出会わせてみたいと思っている。尾崎の声は濃い。顔も濃い。透徹とした歌も濃い。まるで「おたふくソース」だ。「縛り」のない今のダラリとした中学生のお口に、「おたふくソース」はどんなお味なんだろう。
「今日も笑わせていただきました」。私は神様を拝み終わって少しして、一人リビングにいたら、エレキギターが何か言った。ギターケースも何か言い始めた。ハンガーにぶら下がっている白いシャツも、ピアノの上の地球儀も、ごちゃごちゃ叫び始めた。私は耐え切れずに目と耳を塞いだ。
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